長距離走の正しい走り方

スポンサードリンク

ちょっとしたジョギングでもすぐに息が上がるという方もいれば、陸上競技で本格的に1万メートル走やマラソンをしていてタイムが伸び悩んでいるという人もいます。共通しているのは、本当の意味でコツをつかんだ正しい走り方をしている人は少ない点です。

もちろん、陸上部に入っていたり、本格的なトレーニングを積んでいる人であれば素人よりもフォームや呼吸法は様になっています。しかし、長距離走のコツを正確につかんでいる人は決して多くありません。そのため、フォームや呼吸法を変えることによって、今までのように疲れないで走れることに気付き、それが感動となってモチベーションの向上につながる例もあるのです。

長距離走は走り方が悪いと体力をムダに消耗していきます。これでは重りを背負って走っているのと変わりません。いくら練習で走り込みを行っても、間違った走り方を直さないトレーニングでは効果はたかが知れています。基礎体力の向上は見込めても、それに伴って伸びるタイムにはおのずと限界があります。

走り方の中でも押さえておきたい基本的なポイントとしては、まずフォームと呼吸法があります。この2点を改善すると、簡単に疲れない走り方ができるようになります。さらに、デッドポイントやセカンドウィンドについても理解しておくと長距離走における駆け引きがしやすくなるので、後述します。

それでは、まずは基本となるフォームから見ていきましょう。

長距離走のフォームのポイント



オリンピックや世界陸上でマラソンの中継を見ていると、選手によって微妙にフォームが違っています。中には明らかに特徴的な走り方をしている選手もおり、世界のトップレベルであっても、全員が同じように走っているわけではないのが分かります。

長距離走が速くなる方法を探っていくうえで基本となる方針としては、アマチュアの中でも中学生や高校生のうちなら基本のフォームを身に付けるための練習を優先し、さらに上を目指すには自分に合った走り方を探っていくとよいでしょう。優秀な指導者がいるメリットの一つは、選手の特性に合わせたフォームを提案してくれることにあります。

しかし、世界的なトレーナーに指導をしてもらうチャンスなどほとんどないものなので、まずは基本を身に着けてください。長距離走のフォームの土台は、比較的距離の短い1万メートルでもマラソンでも変わりません。

走っている時に力んでいないかを自分で確認してみましょう。肩を軽く上げ下げして脱力をした時に、体がこわばっていると感じたら、力が入りすぎて固くなっている証拠です。これでは持久力の浪費につながるので、脱力を意識してください。

手は軽く握るぐらいにして、体の上下移動が少なくなるようにしましょう。あくまでも前に進むのが目的なので、上に飛び跳ねるのはムダです。長距離走では同じ動作を繰り返すので、ちょっとした違いでもタイムに大きく影響します。無駄な上下運動は避けておきましょう。

足の使い方もフォームをチェックする上で重要です。かかとで着地してから体重を前に移動させ、最後につま先で地面から離れているのか意識してみてください。また、地面に強くかかとを叩きつけていると、疲れないかどうか以前に、長期的に見て怪我につながりかねないので気をつけましょう。

最後に、練習の時に使っている靴の底をチェックして、すり減り方が左右で非対称になっていたら、走り方に問題がある可能性が高いと言えます。ランニングシューズを買いに行く際、専門的な知識を持った靴屋の店員に普段使用しているシューズを見せると、使いやすいランニングシューズを紹介してもらえるだけではなく、フォームの問題点についても教えてもらえることがあります。マラソンやジョギングを始める人が増えて、長距離走について詳しい店員がいる店もあるので、相談してみるのも一つの方法です。

長距離走の呼吸法

スポンサードリンク

有酸素運動の代表格とみなされるスポーツの一つなので、酸素を上手に取り込める呼吸法を習得しておきましょう。最適なフォームが人によって最終的には異なるように、呼吸法も一流の選手では独自の方法を取り入れていることがあります。ここでは、基本的な方法について解説しておきます。

長距離走の呼吸法としてポピュラーな方法は、2回息を吐いてから2回吸うものです。あえて吸うよりも吐くことを先に書いたのは、意識の重点を息を吐く方に置いてほしいためです。

疲れてくると、酸素を取り入れようとして息を吸うことに気持ちが傾きがちです。しかし、呼吸法の基本は吐いた時の反動で吸うことなので、すでに肺が満ちた状態で新しい空気を取り入れるのではなく、まずは肺の中から古い空気を出しておきましょう。

序盤には正しい呼吸法ができていても、長距離走も終盤にかかると息も絶え絶えになって、苦し紛れの方法に変わってしまう人もいるので、トレーニングの時から無意識に呼吸法を実践できるように練習しておきましょう。

デッドゾーン・セカンドウィンド

長距離走においては苦しい時間帯と、体が楽になるタイミングがあります。前者の苦しい時がデッドゾーンやデッドポイントと呼ばれるもので、後者の楽になった状態がセカンドウィンドです。

デッドゾーン(デッドポイント)は、体が運動についていけずに順応している時間帯の辛さです。ここで頑張ってペースを保っておけばうまく適応していけるものの、それを知らずにスピードを緩めるとタイムが落ちて終わります。

一度は苦しくなっても、長距離走においてセカンドウィンドが存在することを前提にしておけば、体は疲れても精神的には楽に走れるはずです。もっとも、基礎体力が不足していると、必ずしもセカンドウィンドに到達できるとは限りません。

しかし、練習も含めて何度もセカンドウィンドを体感すると、体が軽くなってペースを上げても疲れない感覚が楽しみになり、長距離走の大きな楽しみとなります。

練習・食事・休養は三位一体

もっと長距離走が速くなるように必死で練習をしているのに、それ以外の面をおろそかにしているために持久力が付かない人がいます。体力を向上させるためには、厳しいトレーニングを積むだけでは不十分なのです。

まずは練習によって体を疲労させ、食事で修復と強化に必要な栄養分を取り、休養によって実際に体を強くするのが基本的なサイクルです。練習は運動、休養は睡眠に置き換えてもよいでしょう。

つまり、毎日長距離走の練習をして体が疲れ果てているのに、体が求めている栄養を取れなければ、成長は見込めません。食事の重要性はトップアスリートなら当然に認識していることです。筋肉を強化しようとタンパク質ばかり摂取しても、ビタミンやミネラルが不足しては思うようにいかないので、食事はバランスが重要です。

同様に、睡眠を含めた休養も筋肉や心配組織の成長のために不可欠です。ただ負荷をかけるだけでは疲れてしまうだけで、そこから回復するチャンスを与えなくてはなりません。

スポンサードリンク