やり投げの練習方法

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意外に感じるかもしれませんが、やり投げのトレーニングをするうえで走りこみは重要な意味を持ちます。理由は下半身の安定がない限り、正しいフォームで的確に遠くまで飛ばせないためです。

同時に筋トレも重要です。いくら美しいフォームを身に付けたとしても、そもそもの身体能力が低いのでは、やり投げにおいても結果を出すのは困難です。したがって、必要な筋肉を強化することは必須です。

もちろん技術的な課題もあるので、実際に投げ込みを行うのも重要です。これによって、やり投げに使う筋肉が実際に連動して動き、本当の意味で使える筋力に変えていく効果も期待できます。その反面、ただ投げているだけでは、フォームをはじめとした技術的な面での大幅な向上は見込ません。

たとえば、手から離す瞬間の角度や高さを意識して変えていきながら、もっとも飛距離が出せるのがどこであるのかチェックしてトレーニングをしている人と、最初に何となく定めた狙いと同じ場所に惰性で投げている人では、差が付いて当然です。

この他にも、踏み込みのタイミングや強さ、歩幅、腕の振りと上半身の使い方の関係といったことを意識しつつトレーニングを行うと、やり投げの記録の向上も望めるようになっていきます。

効果的なやり投げのトレーニングのために

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本来であれば優秀なコーチの指導を受けたいものの、やり投げを本格的に教えられるトレーナーは多くないのが現実です。それどころか、陸上競技の中でも競技者数が多くはないので、選手としてもコーチとしても経験がないため、指導できない人が陸上部の顧問をしていることも少なくありません。

学生時代に陸上競技をしていても、それは短距離走や走り幅跳びであって、やり投げのトレーニングをしたこともない可能性があるのです。そして、これは決して珍しいことではありません。

自分には不可能と口にする顧問には不満があるかもしれませんが、やり投げについて知識もないのに、あたかも正当な指導ができるような顔をして間違った指摘をしてくるよりはよいかもしれません。邪魔になるよりは、毒にも薬にもならない無害な存在の方が望ましいのです。

指導者がいなければ、自分が選手であると共にコーチになったつもりでトレーニングをするしかありません。そのため、技術的なことはもちろん、筋トレによって鍛える部位をはじめとした基本的なやり投げの知識を獲得してください。その上で、自分に足りないものを探りながら練習を行っていきましょう。

やり投げの日本記録・世界記録



日本や世界でのトップレベルの記録がどの程度のものであるのか、ここで紹介しておきます。

まずは男子のやり投げの世界記録はチェコのヤン・ゼレズニーによる98メートル48センチです。この記録は1996年に樹立されました。これに対し、日本記録は溝口和洋の87メートル60センチで、日本記録であると同時に、アジア記録でもあります。

女子のやり投げの世界記録はチェコのバルボラ・シュポタコバが樹立した72メートル28センチで、2008年の記録です。日本記録は三宅貴子の61メートル15センチ、アジア記録は中国の魏建華による63メートル92センチです。アジア記録のベスト10のうち、上位7位までを中国選手が独占しており、女子においてはアジアの中で中国が圧倒的な存在感を見せています。

男女共に、世界記録保持者はチェコの選手となっています。なお、ここで挙げたのは2006年10月の段階のものであるため、それ以降に更新される可能性があります。

対人競技ではないため、世界のどこでトレーニングをしていても、たとえ指導者や設備の面で恵まれていなくても、本番と同じルールでやり投げを行い、その記録を計測すれば世界との差を具体的に知ることができます。この点は、サッカーやテニス、ボクシングといった相手がいないと成り立たない競技とは大きな違いであり、陸上競技の強みでしょう。

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